映画「PADMAN」から学ぶ、より良い社会の作り方

映画「PADMAN 5億人の女性を救った男」を観てきました。

ボヘミアンラプソディー」や「アリー/スター誕生」といった大型ハリウッド映画の陰に隠れ、1日1、2回の上映しかやっていない映画でしたが、とりあえず一言、とてもいい映画でした。

これは様々な「性別の問題」が取りざたされる今の時代、またより良い社会を目指して多くのビジネス・会社が生まれる今の時代に、多くの人に観て欲しい映画だと感じました。きっとたくさんのヒントと勇気をもらえるはずです。

 

www.huffingtonpost.jp

 

あらすじはインドの田舎村に住む男性・ラクシュミが、結婚をして生理の諸問題を知り、妻のため、そしてインド中の女性のために安価な生理用ナプキンを作るまでの話。

 

2時間20分の内容のなかでは、様々なメッセージが感じられました。

 

 

 

何かを成し遂げる原動力は圧倒的な「他者を思いやる気持ち」 

 インドにおいて生理は「穢れ」と不浄視され、その期間女性は家に入れません。出かけることもできず、家族と触れ合うこともできません。また生理用ナプキンも超高級品であることから9割以上の一般庶民はまず買えないため布を洗って使い回しているのですが、「穢れ」用の布は堂々と洗ったり外に干せないため驚くほど汚いのです。そのため、衛生面が原因で感染症にかかったり死に至ってしまう人も多い。 

 

妻のこのような状況を知ったラクシュミはなんとか安価なナプキンを作ろうと自ら材料を集め、自力での作製を始めるのですが、ここからの苦悩がすごい。

女性間でさえタブーである生理の問題に男性が首をつっこむことに、周囲は猛烈に反発します。母親、兄弟からも非難され、妻も涙を流して「恥ずかしいからやめてくれ」と告げられる始末。最終的には村を追い出されてしまう状況にまで孤立してしまいます。

 

それでも、妻のため、そして不遇な環境にあるインド中の女性のためにラクシュミは諦めません。

多分、『ナプキン作ったら儲かるんじゃね?』という自分本位の思いで始めたのであれば、全員から理解を得られないこのような状況のなかでここまで続けることはできなかったのではないかと思います。『ナプキンを作ることで妻の、そして多くの女性のためになるはずだ』と完全な利他の心で動いていたからこそ成し遂げられた功績なのではないか、と思うのです。

このように心から”誰かのために”と突き動かされることこそ、何かを成し遂げる一番の原動力だと改めて感じさせてくれました。

これはビジネスにおいても同じで、こうした思いが根本にあることで社会性と拡張性のあるビジネスが生まれるのではないかと思います。

 

女性の力が必要な理由 

映画では、孤軍奮闘するラクシュミに協力してくれる女性が登場し、この女性のおかげで男性のラクシュミ一人では行き詰まっていた問題が解決していく場面が幾つも出てきます。

この映画は女性のために頑張った男性の話ですが、同時に女性の力がものすごく大きいことも教えてくれます。

 

日本はまだまだ男性主導の社会だと感じます。

それは、世界的に見ても圧倒的に低い議員数(13%/世界142位)や、管理職数(7%/世界先進国ワースト1位)が示しています。

女性に求められる商品・サービス、社会を作っていくために男性ばかりの組織で成立するはずがありません。ラクシュミがしたのと同じように、女性と男性が力を合わせてよりよい社会を実現していくような世の中になっていけばいいなと思います。

 

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この映画には他にも多くの学びのある映画ですので是非。

日々の出来事から、世界を変える発明・ビジネスを生まれさせたストーリーには「人生のロマン」を感じることができました。

多分、彼と同じように、人を救い世界を変えるヒントは誰の前にも転がっている気がします。

それを見逃さないように、そしてどんな時も「誰かのために」と頑張れる自分で居られるようにぜひ頑張っていきましょう。僕も頑張ります。